カーリースと車(新車・中古車)のローン購入、維持費はどれが1番安い?使用状況別徹底比較!

車がほしい場合、選択肢としては「新車を買う」「中古車を買う」「カーリースを利用する」の3つがあります。

カーリースは、ユーザーの乗りたい車をリース会社が購入し、それをユーザーに貸し出すサービスです。

ユーザーに車の所有権はありませんが、そのぶん車検代や保険料、各種メンテナンス費用を支払う必要がないため、ランニングコストが少なく済むメリットがあります。

新車や中古車を購入してローンを支払うのと、カーリースを利用するのとでは、いったいどちらがお得なのでしょうか?

車にかかる費用は、どの程度乗るかによっても異なりますので、ここでは車の使用状況も踏まえた上で比較してみたいと思います。

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カーリースの月額使用料に含まれる諸費用

カーリースの月額使用料には、以下のような費用が含まれています。

かならず含まれているもの 含まれている可能性があるもの
  • 車両本体価格(残価を除く)
  • 各種登録費用
  • 自動車取得税
  • 自動車重量税
  • 自動車税
  • 自賠責保険料
  • 車検代
  • エンジンオイル交換
  • ウォッシャー液の補充
  • エアコンガスの補充
  • クーラーベルト交換
  • ブレーキパッド交換
  • ワイパーゴム交換
  • バッテリー交換 など

カーリースの魅力は、税金や車検代などの維持費が使用料に含まれていることです。ここが、新車や中古車をローンで購入する場合との大きな違いになります。

また、充実したメンテナンスを受けられるパックを選べば、ガソリン代や駐車場代以外の維持費はほぼかからないこともあります。

ただし注意したいのが、任意保険です。自賠責保険と異なり、任意保険は込みになっていない場合も多いため、かならず確認しておきましょう。

コスモ石油のカーリース「スマートビークル」VS新車VS中古車を比較!

今回は、コスモ石油の「スマートビークル」を例に検証してみます。

スマートビークルは月々定額制のカーリースサービスで、3種類の「メンテナンスパック」がある点が特徴です。

ゴールドパック・シルバーパック・ホワイトパックのどれを選ぶかによって、受けられるメンテナンスの内容が異なります。

また、ガソリン代の割引が受けられるのもコスモ石油ならではのサービスです。

ここでは、スマートビークルで一番人気の「ホンダ N-BOX(C FF)」のリース料金を見ていきましょう。

スマートビークルのリース料金

車両代 月額 22,788円
メンテナンス代(ゴールドパック) 月額5,508円
合計 28,296円×60回(税込み)

ゴールドパックは、税金・諸費用はもちろん、車検代・定期点検代・オイル交換代なども含まれた、もっとも手厚いメンテナンスを受けられるパックです。

ゴールドパックを選んだ場合、月々28,296円の5年払いでN-BOXに乗ることができます。

新車でローンを組んだ場合の料金

次に、ホンダN-BOXを新車で購入した場合の費用です。

N-BOX(C FF〉のメーカー希望小売価格は1,198,000円となっており、「ホンダファイナンス」のクレジットで60回払いにすると、以下の料金となります。

実質年率 3.5%
初月の支払額 37,664円
2ヵ月目以降 月21,500円×59回

ホンダファイナンス「クレジットシミュレーション」参照

N-BOXを新車で購入した場合、月々の支払いは21,500円と、リースよりも低くなります。

ただし、税金や車検代、各種メンテナンス代などは自分で支払わなくてはいけません。

中古車でローンを組んだ場合の料金

N-BOXの中古車の価格は販売店によっても異なりますが、年式が新しいものはおよそ100万円が相場です。

これを、千葉銀行の「ちばぎんマイカーローン」を利用して60ヵ月で支払った場合の料金は以下のようになります。

実質年率 2.55%
支払額 月17,769円×60回

ちばぎん「マイカーローン 返済シミュレーション」参照

中古車は新車に比べると車両代が安いため、月々の支払額も当然ながら低くなります。ただし、税金や車検代、各種メンテナンス代などは別途かかります。

カーリースVS新車VS中古車の費用を使用状況別に比較!

車のランニングコストは、使用状況によっても異なります。

特にわかりやすいのはガソリン代ですので、車の使用目的を「通勤」「近所への買い物」「土日の遠出」の3パターンに分け、それぞれのガソリン代を計算してみましょう。

ここでは、以下のような条件で計算を行ないます。

  通勤 買い物 土日の遠出
使用頻度 週5日 週5日 週2日
実質燃費(N-BOX) 14.0km/l 14.0km/l 20.0.km/l
走行距離(片道) 10km 5km 50km
ガソリン代
(レギュラー)
1リットル122円
(スマートビークルのゴールドパック契約の場合、指定カードでの給油で1リットル5円引き)

使用状況別・ガソリン代の比較

カーリース(スマートビークル) 新車・中古車
通勤のみ
  • 月:3,287円
  • 年:39,445円
  • 5年:197,225円
  • 月:3,427円
  • 年:41,131円
  • 5年:205,655円
買い物のみ
  • 月:1,002円
  • 年:12,024円
  • 5年:60,120円
  • 月:1,045円
  • 年:12,540円
  • 5年:62,700円
土日の遠出のみ
  • 月:4,680円
  • 年:56,160円
  • 5年:280,800円
  • 月:4,880円
  • 年:58,560円
  • 5年:292,800円

スマートビークルのゴールドパックを契約した場合、コスモ石油指定のカードで給油すると1リットルあたり5円引き(月間100リットルまで)になりますので、ガソリン代がややお得になります。

次に、上記のガソリン代に加えて、月々の車両代や各種メンテナンス代をすべて合わせた総額を見てみましょう。

通勤に使う場合にかかる総費用

カーリース
(スマートビークル)
新車ローン
(ホンダファイナンス)
中古車ローン
(ちばぎん)
車両代 月22,788円 月21,500円
(初月37,664円)
月17,769円
自動車税 0円 年10,800円 年7,200〜10,800円
保険代 0円 約40,000円(年)
車検代
(重量税・自賠責保険代など含む)
月5,508円
(ゴールドパック)
約80,000円 約100,000円
オイル交換代 約5,000円
ガソリン代 月3,287円 月3,427円
年合計※車検あり 378,997円 434,931円 368,855円
5年間合計 1,894,985円 1,870,819円 1,732,795円

買い物に使う場合にかかる総費用

カーリース
(スマートビークル)
新車ローン
(ホンダファイナンス)
中古車ローン
(ちばぎん)
車両代 月22,788円 月21,500円
(初月37,664円)
月17,769円
自動車税 0円 年10,800円 年7,200〜10,800円
保険代 0円 約40,000円(年)
車検代
(重量税・自賠責保険など含む)
月5,508円
(ゴールドパック)
約80,000円 約100,000円
オイル交換代 約5,000円
ガソリン代 月1,002円 月1,045円
年合計※車検あり 351,576円 406,340円 377,968円
5年間合計 1,757,880円 1,807,864円 1,589,840円

土日の遠出に使う場合にかかる総費用

カーリース
(スマートビークル)
新車ローン
(ホンダファイナンス)
中古車ローン
(ちばぎん)
車両代 月22,788円 月21,500円
(初月37,664円)
月17,769円
自動車税 0円 年10,800円 年7,200〜10,800円
保険代 0円 約40,000円(年)
車検代
(重量税・自賠責保険など含む)
月5,508円
(ゴールドパック)
約80,000円 約100,000円
オイル交換代 約5,000円
ガソリン代 月4,680円 月4,880円
年合計※車検あり 395,712円 452,360円 423,988円
5年間合計 1,978,560円 2,023,664円 1,819,940円

上記を見ますと、いずれのケースでも一番費用が安く済むのは中古車を購入した場合です。

税金やメンテナンス代はかかりますが、車両代が安いため、トータルで見るともっとも低コストといえます。

ただし、中古車の場合は故障などで予期せぬ費用がかかる可能性がある点に注意が必要です。

特に走行距離が多いほど車両代は安くなる一方で、後々トラブルが起きるリスクは高くなります。

一方、カーリースと新車購入ではほとんど差がない結果となりました。買い物および土日の遠出に使うケースではカーリースのほうが若干安くなりますが、大きな違いはありません。

メリット デメリット
  • 頭金は不要
  • 税金や車検を気にしなくていい
  • メンテナンスをお任せできる
  • 定期的に新車に乗り換えられる
  • 払い終わっても車は自分の物にならない
  • 自由にカスタマイズできない
  • 事故を起こした時に残金の支払いを求められることがある
  • 中途解約する場合、解約料が発生する
  • 走行距離に制限がある

カーリースのメリット・デメリット

ここで、カーリースのメリットとデメリットをおさらいしておきましょう。

カーリースのメリットは、なんといっても「管理がラク」なことです。月額使用料さえ払っていれば、あとの面倒な手続きはすべて業者がやってくれますので、自分は基本的に「乗るだけ」で済みます。

一方、カーリースはあくまでリースですので、契約が終了した後は手元に車両が残りません。

また、借りものである以上、扱い方に気を付けなければいけないのは当然のことで、もし事故で全損してしまった場合などは契約が強制終了となり、解約金が発生することもあります。

万が一の事故のリスクを考えても、任意保険にはかならず加入することが大切です。

カーリースが向いているのはこんな人!

以上のメリット・デメリットを踏まえますと、カーリースは以下のような人に向いています。

  • 車がほしいけれど、まとまったお金がない人
  • 車に関する諸々の手続きがとにかく面倒な人
  • 車の知識がなくても、安全に乗り続けたい人
  • あまり長距離を走らない人

カーリースと新車購入、どちらを選ぶべきか?

カーリースと新車購入のどちらを選ぶべきかについては、ユーザーの考え方しだいになります。

新車購入のメリットは、なんといっても「ローンを完済すれば、車はユーザーのものになる」という点です。

車は財産の一つですから、将来的に売却することもできます。

一方、カーリースでも契約が終了した時点で車を買い取れるシステムになっているところがほとんどです。

今回例に挙げたスマートビークルでも、買い取りに対応しています。

ただしその場合、残りの車両代(残存価格)を支払わなくてはいけません。その金額を考えると、最初からローンを組んで新車を購入したほうが安く済みます。

とはいえ、カーリースは「税金の支払いや車検などの面倒な手続きを、すべてリース会社にお任せできる」点が大きなメリットです。

つまり、「わずらわしいのはイヤだ!ただ車に乗れればいい!」という人には向いています。

それぞれのメリットとデメリットを考慮した上で、一番自分に合った方法を選んでみてくださいね。

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