自動車の安全装置にはパッシブセーフティ(受動的安全)とアクティブセーフティ(能動的安全)があります。
前者は事故が起きた時に乗員を守る装置でシートベルトやエアバッグが挙げられます。
後者は事故を未然に防ぐ装置で4輪の横滑りを防止するESCやブレーキのロックを防止するABSが挙げられます。
アクティブセーフティは大きく進化しており、現在、各自動車メーカーが最先端の技術で開発しているのが衝突回避・軽減システムです。こちらのページでは現在、使われているシステムとその効果について説明します。
フロントウインドウ上部に赤外線レーダーを設置、赤外線を前方に照射して障害分などからの反射を検知するシステムです。赤外線は遠方まで届かないため、近距離用の衝突回避・軽減システムとなります。
衝突回避・軽減システムとしては2000年代初頭より装備されており、現在でも軽自動車を中心に採用されています。
フロントウインドウに赤外線レーダーを取り付けるだけのシンプルな構造であることから価格を低く抑えることができますが、反面、赤外線は近距離専用のため、時速は30km/h以下でしか作動せず、また前方障害物を検知する範囲も6〜8mと短いので、単体によるシステムでは他の安全装置に比べてやや低い評価となっています。
スズキは軽自動車のワゴンRを始めとして多くの車種にレーダーブレーキサポートという名称で、ホンダはフィットにシティアクティブブレーキという名称で搭載しています。
ただし、両メーカーともに上級車種になると、さらに高度な安全装置を搭載しています。
測定方法は赤外線レーダーと同じですが、ミリ波帯の電磁波を使って障害物を検知するので検知距離が赤外線よりも格段に長くなることが特徴です。
単体でも搭載している車種がありますが、ミリ波レーダー方式を搭載している多くの車種は他の安全装置と複合で機能させています。
200m以上前方の障害物でも検知できるので、時速80km/hでも作動、高速道路では衝突の危険性を感知すると自動的に50km/h以上を急減速させます。
衝突を回避、軽減させるだけでなく、前方の車との距離を一定に保つクルーズコントロールにも応用されていますが、ミリ波レーダーは反射力の弱い人を検知することができません。
そのため、多くの車種は人間を検知するカメラを搭載し、両方のシステムを統合させて安全性を高めています。
ミリ波レーダーは赤外線レーザー方式に比べてシステムが高価なため、主に上級車種に採用されています。
トヨタはクラウンやミニバンのアルファードにプリクラッシュシステムとして、日産はスカイラインにエマージェンシブレーキとして、それぞれ単体システムで搭載しています。
2台のカメラをフロントウインドウ上部左右に取り付け、カメラの画像から障害物や人間を検知するシステムです。
価格はミリ波レーダーよりも安いため、最近ではスズキがスーパーハイトワゴンのスペーシアに装備するなど採用の広がりを見せています。
ステレオカメラ方式の高い安全性を示したのがスバルのアイサイト・システムです。
人間の目と同じように前方の対象を立体的に認識するので、障害物と人間を同時に検知できることや移動速度や距離も把握できることに加え、車がブレて走行していることも検知できます。
海外でも高い評価を得ているアイサイトは現在、バージョン3にステップアップしており、これまでのモノクロ画像からカラー画像に進化、前方車両のストップランプまで検知できるようになりました。
スバルは一部のスポーツカーや軽自動車を除いて、ほとんどの車種にアイサイトを標準装備、または搭載可能としています。その他の車種では前述したようにスズキのスペーシアに搭載されています。
現在、衝突回避・支援システムでもっとも普及しているのが複合型です。前方障害物は赤外線レーザーやミリ波レーダーで検知、人物や自転車などは単体カメラで検知するシステムです。
前方車両や障害物、人や自転車を同時に検知できることで、安全性能は単体のシステムよりも高まっていることが特徴です。
また単眼カメラによって道路上の白線を認識できるので、衝突の回避や軽減だけでなく、居眠り運転によるフラつきも予防することができます。
赤外線レーダーと単眼カメラの組み合わせはコストを安く抑えられることからコンパクトカーを始めとする小型車でも搭載できるため、トヨタではカローラなどに採用しています。
マツダはアテンザ以上のハイグレード車になると赤外線で近距離を、ミリ波レーダーで遠方を検知、さらに単眼カメラで人や自転車を検知するという3つのシステムを複合させています。
各メーカーの衝突回避・軽減システムは進化していますが、あくまで支援システムです。最終的な自己責任は運転者にあることを忘れないようにしましょう。
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