広くて燃費が良くて安い車が欲しい方は

自動車を購入する際、これだけは外せない、ぜひ欲しい、という項目は、人によってそれぞれ異なるものですが、世の中に蔓延する景気の停滞感や燃料費の高騰など、自動車維持にとってマイナス材料が多い現在において、筆者は「燃費が良く、なおかつ、安い車でオススメは何ですか?」という質問をよく受けます。

そこで、筆者の独断と偏見でセレクトしたオススメ車をご紹介します。

条件1

  1. 車両本体予算120万円
  2. 新車
  3. 燃費の絶対値が良い
  4. このクラスにしては広い

軽自動車のトールボーイスタイルワゴンであるタント(ダイハツ)や、スペーシア(スズキ)がオススメです。

軽自動車もかつてのように低価格の経済車ばかりではなく、維持費は安いものの購入時は値が張る車種が増えており、車種・グレードによっては150万円オーバーの軽自動車も珍しくありません。

そういった状況下において、タントは主要グレードである「X・2WD」が130.7万円。10万円超の値引きをうまく引き出せれば予算内に収まります。廉価グレードの「L・2WD」は120.3万円。こちらであれば値引きが渋い場合でも十分に予算内に収まります。

維持費については28.0km/L(JC08モード値)というトップクラスの低燃費を実現しており、実用燃費にも十分に期待が持てるほか、自動車重量税や自動車取得税の免税措置が受けられます。

一方、スペーシアは廉価グレードの「G・2WD」が126.3万円。値引き幅はタントと比べてやや大きい傾向があるものの、普及グレードの「X・2WD」は136万円のため、やや予算をオーバーする可能性があります。

ただし、エネチャージやエコクールなどの省エネ機構の搭載によって燃費性能は29.0km/L(JC08モード値)というクラストップの低燃費を実現しているのが強力なバイイングポイントであり、こちらもタントと同様に自動車重量税や自動車取得税が免税措置が受けられるのが強みです。

どちらの車種も、軽自動車規格ゆえに、車室の幅や全長には制約があります。とはいえ、1700mmを超す天井高と低床設計により、室内空間のゆとりは相当なもので、大半の人にとってすごく広いと感じられる室内空間を実現しています。

また、どちらの車種についても、最新の設計を施し十分な質感を盛り込んだうえで、150万円クラスが珍しくなくなった軽自動車のカテゴリーにおいて、クラスを超えた背高ボディによる広々空間と最高クラスの省燃費性能を実現した車種が120万円前後で買えるというのは、十分すぎるほどの割安感があると断言できます。

条件2

  1. 車両本体予算60万円
  2. 中古
  3. このクラスにしては燃費が良い
  4. 家族4人で車中泊することも想定

この条件を満たすとなると、キャブオーバータイプのワゴン車もしくはミニバンが最有力候補となります。

ただし、いずれも車格が大きく車重も重くなるため、必然的に燃費性能が悪くなるのが一般的です。そういった悪条件を挽回できるのは、「ハイブリッド車」です。

なかでもオススメなのが、「エスティマ」です。ハイブリッド車だと値段が高いのではとお思いかもしれませんが、エスティマハイブリッドは、最初に登場したのが2001年です。年式が古いモデルを上手に選ぶことにより、クラスを超えた良好な燃費の広々ワゴンを低予算で手に入れることができます。

エスティマハイブリッドは、エンジンを前輪用とし、モーターは前輪用と後輪用をそれぞれ搭載する2モーター方式による電気式の四輪駆動方式を採用しています。すなわち、4WDの優れた走破性能と実用燃費を両立したモデルということになります。

これが、低年式モデルとはいえ、60万円以下で買えるのは、つくづくいい時代になったものだと感心します。ただ、注意すべき点がいくつかあります。

低年式車ゆえに、故障の確率は高年式車よりも高まることに加え、ハイブリッド装置を搭載していることにより、万一故障した際の修理代が高くつく恐れがあります。

そのためできる限り保証が充実しているもの(1年間走行距離無制限など)を意識して選んで購入するのが無難です。

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